自動書記

自動書記-光りを放つ二枚貝

裸足の生えた巻き貝が地面を歩いていて、おじいさんの太ももの上も歩いている。
油の浮いた水の入った瓶が3つ屋台に並んでいて、店主はここにおらず遠くのビルの窓から双眼鏡でこちらの様子を伺っているばかり。

よぼよぼのシワだらけの球体に、次々と輪っかが吸い込まれていく。その輪っかは別のシワだらけの球体から出て送られて来ている。

透明の虫の羽を等間隔に差し込んだこの肉の切り身を、木の小棚にしまおうとする双子。彼らは体中が虫の羽だらけで、燃えさかる部屋の中にいる。

その兵士は牛の背中が四角くくり抜かれた場所に座り、ダイナマイトの束を抱きかかえていてる。ダイナマイトが爆発すると、彼ははじけ飛び、牛の肉もまたはじけ飛び、牛はさらに大きく四角くくり抜かれて、断面の血管からは血液とともに小さいダイナマイトがポロポロとこぼれ出てくる。

よごれた雑巾を顔につけた力士は、顔を擦りつけて土俵を磨いていた。飛び交う座布団からはナイフが力士めがけて発射されるが、力士の肉厚の背中にささるやいなや、渦巻きように形が変わっていき、最後はねじ切られる。

後少しで触れ合いそうになる鉛筆と鉛筆のそれぞれの先には、大砲を構えた人間が、笑顔で相手と糸電話で話をしている。

ピエロが両手を上下に挟んでいるのは内から光りを放つ二枚貝で、その貝の隙間から、くたびれた数々の音符が流れ出てこぼれ落ちていく。貝は、小さい筋肉粒々の小人達が間に入り持ち上げることによって何とかその隙間を保ってはいるが、ピエロは不気味な笑顔のまま、その貝を上下の手で必死に閉じようとしている。

四隅を半島のように切り取った食パンを鳥が啄んでいる。その鳥の体表には、気泡がいくつも膨らんできている。その鳥は、その気泡を見つめると、目から赤いレーザーを照射し、気泡を消そうとしている。

蜘蛛の巣が張った木の枝はシャボン液に浸され、草原の上を低空飛行する飛行機の両翼にぶら下げられた。飛ぶ飛行機の後方に生み出されるシャボン玉たちは、空気に触れるとしだいに丸い形から精密な十字型に変化していった。

床にひっくり返しになった缶からミミズたちが逃げ出ていく。ミミズたちは頭を丸めた頭に小さい電球を抱いている。電球には針金がついていて、缶の中に伸びている。テーブルでは、家族がケーキを囲んでいる。長男が屈んでミミズの頭から電球をとって、ろうそくの代わりにケーキにさしている。長男以外は皆気絶している。

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